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MHK「認知症とともに新しい時代へ」驚きの介護術 身近なヒントで皆ハッピーに

認知症患者も増加し、もはや当たり前になりつつある日本。
少しでも症状を改善することが本人や介護する家族の願いでもあります。
2017年4月26日放送の MHK「認知症とともに新しい時代へ」~驚きの介護術 身近なヒントで皆ハッピーに~で認知症のケアのヒントを探ります。

 

MHK「認知症とともに新しい時代へ」驚きの介護術 身近なヒントで皆ハッピーに

 2017年4月26日国際アルツハイマー病協会国際会議が行われています。
国際アルツハイマ―病協会国際会議は、年々発展を続け、現在では世界100か国以上に及ぶ国々から認知症に関する何千人もの専門家を集めるもの。
国際的に著名な講演者と高水準の科学やその他の認知症に関連する分野の専門家の発表から認知症ケアの最前線について学べます。

1 水

(1)水分補給の効果

東京の渋谷のある特別養護老人ホーム。
以前は重い認知症の症状だった人たちが、みんな歌を歌うなど楽しそうです。
改善の秘密は、生活習慣を変えたからです。
「水分補給をしっかり取るように」生活習慣を変えた、たったこれだけ!
皆さんみるみる元気になって、お話ができるようになりました。
喉の渇きは、脱水や意識障害をもたらします。
また水分が少なくなると、ぼーっとしてしまうそう。
認知症患者は、必要な量の7割しか水分を摂取できていないそうです。
認知症の人は、のどが渇いても飲もうという意識にまで至らないため、自発的に水分補給してもらうのは困難。
そこで、考え出されたのが「水分補給作戦」。
1500ml/日を目標に、少しずつ飲んでもらうようにしました。
水分を取ると活動的になって、運動が今度は自然な排便につながるなどの好循環が生まれました。
おむつが要らなくなったり、要介護4だった人が要支援2になるなど多くの人で症状改善がみられました。
もっとも水分を取ることは本人にとっては失禁の心配にもつながるため、難しい面もあるようです。

(2)街ぐるみの取り組み

東北の小林市。
週3日デイサービスに通うAさんは以前は暴言がひどかったそうです。
水分摂取と運動で、「随分明るくなり、暴言も減りました。」とAさんの奥様。
ところが冬になって寒くてウォーキングも少なくなってしまいます。
そこで市の包括支援センターの人に相談し、認知症サポーターの同年齢の方と一緒に歩くようにしました。
そうすると話もはずみ、いつもの2倍歩くように。
大好きなグランドゴルフも再開します。
57人/4年のうち、96.2%の人に症状の改善がみられました。

2 認知症の世界を知る

仙台のある高校で、VRで認知症の世界を知るという体験をしていました。 

(1)アルツハイマーの感覚プログラム

認知症の人は、車を降りるとき段差わずか15cmなのに、なかなか降りられない人がいます。
これは感覚により、そのわずかな段差がビルの3階の高さほどに見えることによるものです。

(2)幻覚症状プログラム

普通の人には見えない、本来いない人が見えてしまったり、本来居る人が突然消えてしまったりしてしまうもの。
生徒たちはこれらの体験に驚き、大きな声を上げています。
介護する人は、「どうして分かってくれないのか?」などと悩むものですが、認知症の人がふつうと違う環境や世界にいるんだということを認識しなければいけません。

3 驚きのケア方法「ユマニチュード」

 口の中のケアを嫌がる女性。
あるケア方法を試みると、女性はおとなしくガラッと変化しました。
そのケア方法こそが、「ユマニチュード」です。
ユマニチュードの基本は「見る」「話す」「触れる」「立つ」という4つ。
ユマニチュードには150を超えるテクニックがあるそうです。

(1)ユマニチュードの基本

①見る

認知症患者は視界の中心しか認識できません。
そのため目線は必ず患者の目をしっかり見ます。

②話す

話しかけるときは穏やかな声で実況中継のように。

③触れる

 触れるときは優しく、動こうとする意思を尊重しながら。

④立つ

立つ機会をつくって、前向き行動を促します。

www.nhk.or.jp

 

具体的には、
①いきなり会わないように、まずはベッドなどにノックします。
②次に相手の視界に入ります。
③穏やかに優しく話しかけます。
④頷いたらケアの準備。
⑤手に触れ、安心感を与えます。
⑥ケアは気持ちいいものだという印象を与えます。
翌日には自分で口の中のケアをするようになりました。
5日後には立つことにチャレンジするなど驚く変化。

(2)一番大事なのは「目線」

ユマニチュードを解き明かすある実験が行われました。
ふつうの介護スタッフが患者に話しかけ、介護するときの目線は絶えず動いていて、患者の目線をとらえていません。
一方でユマニチュード考案者であるイヴ・ジネストさんが介護をすると、どんな態勢でも患者の目だけをしっかり見つめています。
しっかり見つめながら話しかけ手を触れることは、相手に安心感を与えるといいます。

もっとも、テクニックに溺れてはいけません。
自分の中に介護に関する哲学的なものがないとダメです。
介護で重要なのはコミュニケーション。
淡々と業務のようにこなすのではなく、「あなたのことが好き」など人との関係性を大切にすべきとも。

4 患者に寄り添う「嘘」

アルツハイマーの人に多い被害妄想。
「ハンコや通帳が盗まれた」を責められるのは嫌なものです。
そんなたきは否定せず、一緒に探してあげた方が良いそう。

中野区のデイサービスでは、
1人の女性がうちに帰りたいとソワソワしています。
するとスタッフの人が「今日は雨でこれから嵐になるから家族の方が迎えに来られないそうですよ。一緒にいましょう。」「今日は人手不足だから手伝って。」
と声をかけます。
彼女にお茶くみをお願いすると、手伝ってくれました。
自分の役割を感じて落ち着きを取り戻しました。
ドアにはウソの「故障中のシール」が貼られています。
家庭でだんだん怒りっぽくなってきていたBさんも、このデイサービスで変わりました。
あまりお風呂にも入らなかったBさんですが、「今日は区の健康診断ですから裸になってください。」という指示に従います。
そして素直にお風呂に。
患者を思いやるウソならどれだけついても良いんです、というスタッフさん。

「認知症も老化の一つ。
老化だから仕方がないと思いましょう。
本人は何も変わっていないのだから。
そして認知症になっても良いような安心な社会をつくっていくことが必要です。」