読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

grandmasayuri.com(グランマさゆり)-サードエイジ-

~人生の後半もワクワク楽しく!~

「ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由」小林せかい著

いきなりですが、「未来食堂」をご存知ですか?
たった一人でランチを何回転もさせ、決算などの情報はオープンに、そして「まかない」「ただめし」「さしいれ」など未知なシステムも。その上オープンからまだ日が浅いのに既にお店は黒字なんだとか。
「未来食堂」店主の小林せかいサン著の2作目となる「ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由」を読みました。

「ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由」小林せかい著

*なお、写真はイメージです。

1 「ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理由」とは

 内容紹介

日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2017<食ビジネス革新賞>受賞!

いま話題の「未来食堂」店主、新刊。初の書き下ろし!

メニューは1日1種だけ。
決算、事業書は公開。
ちょっとしたおかずのリクエストができる「あつらえ」。
一度来た人なら誰でも店を手伝える「まかない」。
etc,etc.

店主1人、客席12席の小さな定食屋から、未来の"ふつう"が生まれている。
その超・合理的な運営システムと、ちょっとした非常識。
削ぎ落とした果てに見えてきた、業種を超えて注目される"起業"の形。
amazonの紹介ページ より

2 小林せかいサンとは

 未来食堂の創業者である「小林せかい」さんは、東工大数学科卒で、以前は日本IBM、クックパッドのエンジニアだった人です。
15歳のときに初めて独りで喫茶店に入ったことで、「学校の自分」「家の自分」とは違うありのままの自分を受け入れてくれた感覚に衝撃を受けたそうです。「きっと自分はいつかこんな店をやるんだろう」と感じたそう。それからは学生時代に飲食店でアルバイトを経験し、クックパッドでは社員に夜食を提供、退職後は数々の飲食店で修行を積み、ついに2016年9月に未来食堂をオープンさせました。


↓未来食堂が出来るまでの過程はせかいさんの1作目に詳しく書かれていますよ。   

3 エンジニア的思想 

 著書の中で「何であれ培った能力はどんな場所にいても発揮できると思っていた」と語っています。ホントに頭のいい人ってこんな感じのイメージです。全く異業種に挑戦しても結果を残しちゃうんですよね。
せかいさんの食堂づくりには、エンジニア能力が随所で光っています。

(1) 一人でも回せる効率的な店作り

オープンする前に多くの飲食店オーナーさんからランチを一人で4回転なんてムリだと言われたそう(一般的な飲食店のランチ回転率は2回転ぐらい)。
おひつをお客様によそってもらったり、ピーク時の洗い物を避けるべく食器を多めに用意したりするなどして、それを実現しています。仕事の効率化は、エンジニアの得意なところかもしれません。

(2) 飲食業にオープンソースを

不透明でクローズドな飲食業界に、せかいさんは革命を起こしています。
IT業界が迅速で大きく発展したのは「オープンソース」が根幹だと考え、それを未来食堂でも導入しています。そのため、未来食堂の月次決算や事業計画書はwebで公開されています。これから飲食店を始めようとする人にとっては事業計画書などはとても参考になるはずですね。

↓こちらで決算や事業計画書を公開されています。

miraishokudo.hatenablog.com

(3) 飲食業界でのクラウドリソース

未来食堂は小林せかいサンが一人で切り盛りしてますが、「まかない」さんが手伝うことができるシステムを採用しています(まかないの詳細については本書をお読みください)。彼らが仕事をしやすいように、タスクを細分化しています。

(4) オープン後も修正そして修正

このことについて特に項目立てて書かれている訳ではありません。
しかし1作目が未来食堂が出来るまでの過程であり、2作目がこのタイトルですから。
自分でやってみて思ってたのと違ってきたところは、それぞれ修正されています。これもエンジニアっぽいと思います。賢い人は一度失敗しても、そこからスッと修正するのがお上手ですね(なお、せかいさんは別に失敗しているわけではありません)。物事の問題点や本質を捉える能力にたけていらっしゃるのでしょう。
オープン後に思いついた「ただめし」「さしいれ」なども面白いです(詳細については本書をお読みください)。 

4 未来食堂の理念

未来食堂は「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」でありたいとせかいさんは思っています。 それは学校や職場、家庭とは異なる第三の場所として。
未来食堂では、誰もが来られる仕組みも採っています。
また修行に来ていたまかないさんが巣立つときに、試作や業者巡り、オペレーション提案などせかいさんがノウハウを惜しまないのも、未来食堂のこうしたDNAが受け継がれることを願ってのことです。

5 アイデアを生み出すチカラ

この本では、奇抜なアイデアを生み出す方法やテクニックが詳細に書かれています。
ありきたりのアイデアをパッチワークのように散りばめたアイデアが多いことに嘆いてもいます。詳細は書きませんが、アイデアはあくまで自分の内から発するものということ。アイデアを生み出す方法は飲食業界に限らず、社会人や学生さんにとっても参考になるはずです。

 

飲食業界にいる人や目指している人はもちろん、ビジネスマンや学生さんにも是非読んで欲しいと思います。
未来食堂は東京・神保町にあります。是非食べて、常連になって、その次はまかないさんとして過ごしてみてはいかがでしょう。